vol.3「困ったらオモニ(ママ)に連絡を!」

近年、京都に韓国風居酒屋が数多く立ち並ぶなか、
長年お客さんからオモニ(ママ)と慕われながら、
一人でお店を営んでるママに会いに「清風亭(チョン ブン ジョン)」へ

東山駅から徒歩一分と近く、看板には韓国味の焼肉・鉄板焼き・石焼焼肉・韓流居酒屋と
書かれていて、お店に入る前から、提供するメニューの多さを想像することができた。

アニョハセヨ~とカウンターからひょっこり顔を出して明るく迎え入れてくれたオモニ。

お店に入ってまずあっと驚くのが壁一面に飾られた著名人のサイン色紙・写真に名刺の数々。
今までどれだけの人がオモニの料理を求めてこのお店へ訪ねてきたんだろうと思いながら、
オモニの料理がとっても楽しみだった。
席はカウンター席と奥にテーブル席があって、家庭的な雰囲気もあることから、
決して広くはないけど、居心地がいい。

新規のお客さんでもあるということで、オモニのおすすめの3000円コースを注文!
プルコギ・チヂミにチゲもついててとってもお得。(選択可能)
メニューがないので、写真がない分、オモニの料理作ってる姿をカウンター越しに見ながら
何を作ってるんだろう~?次は何が出てくるのかな~?とカウンター席ということもあって、
オモニと会話もしつつ、友人と談笑する時間が楽しく、あっという間に
次から次へと料理が運ばれてきて、テーブルが渋滞状態(笑)そしてボリューミー!

お豆腐の前菜・自家製ナムル・チヂミ・プルコギにチゲを手際よくちゃちゃちゃっと作るオモニ
実際に目の前で調理してくれているのを見ると、本当に実家に帰ってるような感覚になるのを不思議に感じつつ料理を口に運ぶ。

オモニのこだわりがたくさん詰まった優しくて愛に溢れた味。

オモニの作る料理やお店の歴史についてお話を聴きたいと思って聞いてみたところ、
一人でお店を営んでる理由から、取材の依頼はあるけど、常連さんを大切にしたい想いから取材は断ってるそう。
それでも、「誰かの為に発信するのはいいことだから、特別にね。」と許可をいただいた。

生まれはプサン付近のオモニ、筆者の親友がプサン出身であることから、韓国語講座も時折混ぜつつ色々お話をすることができて、
楽しい時間を過ごすことができた。

お店を始めて、今年で約40年。韓国の皇帝舞踊をしていた頃に、京都で旦那さんと知り合いご結婚。
当時はまだ京都に本場の韓国料理屋さんがなかった頃に、無煙焼肉を始めたのがきっかけ。
しかし、2000年代前半に日本を含め世界的に広がる問題となった狂牛病・正式名称:BSE(牛海綿状脳症)によって、
「牛が危険だ!」という「風評」がマスコミや世間に広がっていき、風評被害の対象となる。
連日ニュースなどで報道されるなか、急激な消費者の肉離れによって、その対処に多額なお金を注ぐ必要があったためお店を畳むことになったそう。

次に始めたのが、この『清風亭』
昔から、オモニのおばぁちゃんは料理が上手だったこともあり、小さい頃からお手伝いをよくしていたこともあるから、オモニも自然と料理を作る事が好きになって、家族や周りの方に振舞うようになったそう。
評判はとてもよく、友人などの熱い要望もあって、お店を開くことを決意したオモニ。
家族の健康の為にと日々作り続けた料理を、今後はたくさんの人々の為にと、今もなお作り続けているオモニ。
現在は娘さんも社会人であることから、休日一緒に食事に行ったり、旅行したりするのが楽しみなのだとか。

お話を聞いている最中も常連さんからの電話が響く店内。
食べたい料理をオモニに事前に電話で伝えれば、食材を仕入れて作ってくれるとのこと!
カウンター席で一緒に食事をしたお隣さんも、メニューにないケランチ(茶碗蒸し)を頼んでいて、思わずなんだろう?と見入った。
お客さんとの距離もオモニのおかげで近くに感じるため、お隣さんとの会話も盛り上がりやすい。
普段は韓国人留学生さんもいっぱい来るみたいで、紹介してあげるよ!とオモニ(笑)
(この後本当に、お店に訪れたお客さんで、お友達でもある、ほかの韓国料理屋のオーナーさんを紹介してくれました)

韓国語が気軽に飛び交う店内は、韓国から来た人々にとっても憩いの場なんだろうなと、ピリ辛のチゲスープを飲み干しながら思うのでした。

最後に日本に来れずにいるみんなへ一言メッセージをいただいて、お店をあとに。
「もう少しで日本に来れるようになると思うから、日本に来たらオモニは応援してる!日本は最高にいいところです。
 もし困ったことがあったら、オモニ(ママ)に連絡を!」
帰る時も両手でハート♡を作りながら、アンニョンと見送ってくれたおちゃめなオモニ。


今度は何を頼もうかな?と満腹になりながらも、またオモニの味を求めに帰ってきたいと思うのでした。

By Local Tourist(ロカツリ)

Hello, I am the writer of this blog. Local but at the same time im a tourist too! :D

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